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研究概要

GEO Grid とは、 Global Earth Observation Grid(地球観測グリッド)の意味で、グリッド技術を用いて、地球観測衛星データの大規模アーカイブ・高度処理を行い、さらに各種観測データベースやGIS(Geographic Information Systems:地理情報システム)データと融合し、ユーザが手軽に扱えることを目指したシステムである。
「全地球を対象とした大規模な衛星データに対応した高度処理技術」、「協力機関とのセキュアな相互運用性」、「多様なユーザに対するセキュリティの維持」を可能とするシステム(図1)を開発し、また、「標準的なWebサービスのインターフェイス」を使用することで、ネットワーク上に分散する各種地球観測データ(地上観測データや地図情報など)と大規模な衛星データとの統合利用(図2)の実用化研究を行っている。

図1 GEO Gridシステムの概要

GEO Grid 統合利用例

研究の主な特徴

経済産業省が所有している地球観測衛星(ASTER:Advanced Spaceborne Thermal Emission and Reflection radiometer)などの画像データをベースマップ(基本図)として、産総研の持つ地球科学情報(地質および環境)を統合し、国際標準に準拠したグリッド技術によって、以下のような特長を持つシステムの構築を行っている。

  • 高精度なベースマップの生成:ASTER、PALSAR(Phased Array type L-band Synthetic Aperture Radar)などで得られた大規模な衛星のデータに、高度な幾何・放射量・大気(揺らぎやひずみなど)の補正を加える処理を行い、高精度なベースマップを生成する。
  • 多様な観測データのマップ化:生成したベースマップや他機関によって分散管理されている観測データ(MODIS:Moderate Resolution Imaging Spectroradiometerなど)を仮想的にひとつにしてマップ化する。
  • セキュアな相互運用:グリッドの標準アーキテクチャOGSA(Open Grid Services Archi tecture)に準拠。米国GEON(Geosciences Network)などの他機関のシステムとの相互運用を試みる。
  • 既存の地図情報との容易な重ね合わせ:標準的なWebサービス(のインターフェイス)を使用して、GISデータ、フィールドセンサーデータ、既存の地図情報と組み合わせることを試みる。

今後の展開

総合科学技術会議の「地球観測の推進戦略」における基本戦略のひとつに「利用ニーズ主導の統合された地球観測システムの構築」があり、また、地球観測サミットでの地球観測システム(GEOSS: Global Earth Observation System of Systems)では、System of Systems、集中管理型ではなく相互運用性をもつ自律分散協調システムが重要となっている。つまり、多様で分散された大規模なデータから利用ニーズに即した情報を提供できるシステムが望まれており、GEO Gridは、これを具体化するものである。
 一方、昨今の衛星画像のポータルサイトの利用からみると、地球観測衛星のデータは社会基盤(空間情報基盤)としての新たな価値(ビジネスモデル)が期待されており、その新たな可能性に向けての視点からも、GEO Gridの研究開発が重要となっている。
 今後、地球観測において国内外の関係機関と協力しつつ、次世代の地球観測衛星をも視野に入れ、地球環境保全・地球資源探査・自然災害軽減・危機管理など地球規模の社会的問題の解決に貢献することを目指す。さらに、都市情報、地理情報、社会ニュースなどと組み合わせた新たな情報サービスを支援するため、GEO Gridの研究開発を進めていきたい。

詳細URL

http://www.geogrid.org/